安威川の四季プラス

日本中どこにでもある街中を流れる川、
一見何の変化もないような川にも河川敷にも土手にも、春夏秋冬様々な植物や虫や鳥などが生きています。身近な場所の四季の移り変わりを綴ります。

ヒメガマ

「ガマの穂って二階建てって知ってた?」



「ほら、二階建てやん。」



「ほんまや。知らんかったなあ」


「上が雄花で下が雌花かな?」


「ほら、花粉飛ぶわ」


雄花は揺すると、花粉がいっぱい飛んだ。


二階建てはどのガマも同じだけれど、雄花と雌花の間に隙間があるのはヒメガマだけだそうなので、これはヒメガマ。
道理でちょっと細いガマだなと思った。


ガマというとすぐに浮かんでくるのはこの歌。写真を撮り終わると歌いながら帰った。


♪ オオキナフクロヲカタニカケ ダイコクサマガキカカルト
  ソコニイナバノシロウサギ カワヲムカレテアカハダカ


  ダイコクサマノイウコトニャ キレイナミズデミヲアライ
  ガマノホワタニクルマレト  ヨクヨクオシエテクレマシタ


  ダイコクサマハダレダロウ  オオクニヌシノミコトトテ
  クニヲオサメテヨノヒトヲ  タスケナサレタカミサマヨ


漢字を入れて書くと多分こんな感じでしょう。


 大きな袋を肩にかけ  大黒様が来かかると
 そこに因幡の白兎  皮を剥かれて赤裸


 大黒様の言うことにゃ  きれいな水で身を洗い
 蒲の穂綿にくるまれと  よくよく教えてくれました


 大黒様は誰だろう  大国主命とて
 国を治めて世の人を  助けなされた神様よ



多分母が歌っていたのを聞いて覚えたのだと思う。
戦後民主主義教育の最も盛んな頃にこんな歌を学校で教えるわけがないし。


母は音痴だったけど、よく家事をしながら歌っていた。
こんな歌も覚えている。(聞いただけだからあってるかどうかは怪しいけど)


♪ イチニタニノイクサヤブレ ウタレシヘイケノ  キンダチアワレ ♪


こんなのもある。


♪ シチリガハマノイソヅタイ イナムラガサキメイショウノ
  ツルギトウゼシ コセンジョウ ♪



話を戻すと、ガマの説明の所に
「ガマの花粉は黄色で飛散する前に集めて乾燥させたものは生薬として「蒲黄」と呼ばれ止血剤として煎じて服用したり、切り傷や軽度の火傷には直接患部に塗布して傷薬とされます」とあった。


そうなんか~。
何でガマにくるまったらいいと大黒様が白兎に言ったのかなあと何十年もずっと思っていたけど、そういう訳だったのね、と今頃になって思った。
ホントの所はどうなのかは知らないけど、私の中では納得。