安威川の四季プラス

日本中どこにでもある街中を流れる川、
一見何の変化もないような川にも河川敷にも土手にも、春夏秋冬様々な植物や虫や鳥などが生きています。身近な場所の四季の移り変わりを綴ります。

メハジキは女性の病に効くから益母草

今日2個目のUP。



メハジキ(目弾き)


合流点で少し前に見かけた時から随分成長していました。
「かあちゃんより大きいわ」と夫が言ってます。(私小さいですけど)
これは去年初めて見ました。



生薬名、益母草(ヤクモソウ)と言って古くから漢方薬として使われてきたということは前にも書きました。
熊本大学薬学部薬草園薬草データベースによれば、「開花期の地上部は駆瘀血(体の血の滞りを治す)作用があり、月経不順、生理痛、産後のめまいなどに用いる」とあります。母に関係する効果があることから益母草なんですね。


分布は本州から琉球諸島、台湾、朝鮮、中国などの温帯から亜熱帯、とありますから、在来種ということですね。


『日本メディカルハーブ協会』という所のHPに『メディカルハーブ事典』というのが出ていて、そこに昭和薬科大学の研究員の佐竹元吉さんがメハジキの薬草の歴史を書いておられて興味深かったです。


以下引用させて頂きます。


中国での最初の記載は、漢代の『神農本草経』(上品)における果実である茺蔚子(ジュウイシ)である。


明の李 時珍『本草綱目』(ca.1596)に、「此の草及び子(み)は、皆な茺盛・密蔚、故に茺蔚と名づく。 其の功は婦人に宜しく、目を明らかにし精を益すに及ぶ。故に益母の称有り」とある。


日本では、平安時代に深江輔仁が『本草和名』(ca.918)に茺蔚子を記して、和名に「女波之岐メハジキ」と記されている。


また、源順の『倭名類聚抄』(ca.934)に茺蔚の「和名女波之木」と書かれている。
江戸時代の小野蘭山は『本草綱目啓蒙』11(1806)で、「茺蔚 メハジキ ニガヨモギ 益母草(ヤクモサウ)通名」と記している。


引用終わり


漢の時代から漢方薬ってあったんだと知ってホーッと思いました。
それと、平安時代からメハジキって呼んでたのねえ。平安時代の前からというか大昔から子どもは目の上下にこの茎を挟んで目を開いて遊んでいたのね、って思って、感心してしまいました。面白い!