安威川の四季プラス

日本中どこにでもある街中を流れる川、
一見何の変化もないような川にも河川敷にも土手にも、春夏秋冬様々な植物や虫や鳥などが生きています。身近な場所の四季の移り変わりを綴ります。

カモのエクリプス

これって蝉しぐれなの? とガランド橋を渡るときにいつも思います。
「シャーシャーシャーシャー」というクマゼミの大合唱は「やかましい!」と言いたくなる鳴き声です。これは蝉嵐と言った方が似合ってるんではないかと思うのです。
蝉しぐれっていうのは私のイメージでは、ミンミンゼミとかもう少し大人しい声のことではないかと思うんですがどうなんでしょうね?


クマゼミの分布を見たら、関東以北はいないって出ていました。
この辺はミンミンゼミの声を聴くことはほとんどないし、アブラゼミのあのジーという地味な声も聞こえてきません。たまに死骸が落ちている時があると、いるんだとわかるのですが。




この間、キツネを見た時に写っていたキンクロハジロ。
これがメスなのか?オスのエクリプスなのか?と考えていたのですが、今年の1月にオスとメスを撮った写真があったので、比べてみると、白っぽい羽の範囲とか色とかで、やっぱりこれはエクリプスだと思います。




エクリプスというのは全然知らなかったのですが、一昨年くらいに、渡って来たばかりのヒドリガモが赤茶色でモヒカンもないので、これは何だろうと調べた時に知りました。


『ネイチャーエンジニアいきものブログ』の亀田さんが詳しく説明してくれていました。


エクリプスというのは、カモと他の野鳥との習性の違いから生まれたもの、ということでした。


カモを含む特定の鳥には、季節によって羽が生え変わるものがいて、それは冬羽と夏羽で、カモは夏羽が派手で冬羽は地味。
日本で見られるカモはほとんど冬鳥。冬鳥なのに夏羽?


基本的に野鳥は春頃になると、夏に備えて冬羽から夏羽になるのだけど、カモは秋の終盤に冬羽~夏羽に換羽するのだというのです。カモは真冬に夏羽に換羽する。


???
ヤヤコシ


みんな混乱するので、カモは他の鳥とは違う名前に言い換えられたということなのです。


〇冬羽 → エクリプス
〇夏羽 → 生殖羽(繁殖羽)


うん、これならややこしない。
派手な夏羽になるのは繁殖のためだから。メスにアピールするために派手になるんだよね。



基本的に、カモは春には北に帰りますから、日本でエクリプスのカモを見ることは普通ないんだと思います。(ネットを検索すると、帰らなかったカモの情報はいろいろありますが)
でも今年、キンクロハジロやヒドリガモが北へ帰らないのがいたので、エクリプスのカモを見ることが出来ているんですね。まあ秋一番に渡って来るヒドリガモは、この辺でもまだ生殖羽になっていなくて、だんだん頭頂のモヒカンが濃くなっていく様子を観察できますが。



キンクロハジロは6月20日に見た時はまだ生殖羽でした。




6月18日に見たヒドリガモのオスはまだ生殖羽でした。




今日のヒドリガモはこれです。2羽いました。オスカメスかわかりませんが、2羽とも地味です。



色も濃くて白い所も全然なくて、これはエクリプスになっているということだと思います。



今日はマガモも見ました。オスはわずかに頭の緑色を残していますが、白かったところは茶色の目立たない色になっていて、メスと同じようです。これもエクリプスだと思います。